「なぜこんなことまで聞くの?」カウンセリングシートへの素朴な疑問
まつ毛エクステのサロンを初めて訪れたとき、受付で渡されるカウンセリングシートに少し戸惑ったことはないでしょうか。「コンタクトレンズを使用していますか」「現在、薬を服用中ですか」「過去に目元に手術を受けたことがありますか」——まつ毛を整えるだけなのに、なぜここまで詳しく聞かれるのだろう、と感じる方は決して少なくありません。
実はこれらの質問の一つひとつには、お客様の安全を守り、施術の質を高めるための明確な理由と医学的根拠があります。設問を「面倒な手続き」として流してしまうと、アイリストが本当に必要な情報を得られないまま施術が進んでしまうこともあります。
FRAISEでは、医療法人鳳應会グループとの連携のもと、監修医師・近澤徹の指導にもとづいてカウンセリングシートの内容を設計しています。今回の記事では、各質問の「なぜ」を順を追って丁寧に説明します。シートへの記入が、単なる義務ではなくお客様自身の施術を守る行為であることをご理解いただけると、私たちはとても嬉しいです。
「健康・体質」に関する項目——全身の状態が目元に影響する理由
「今日は目にエクステを付けに来ただけなのに、なぜ体全体の健康状態を聞くの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ところが目元は、全身の健康状態を映す鏡のような部位でもあります。以下の設問にはそれぞれ具体的な意図があります。
服用中の薬・サプリメントについて
抗凝固薬(血液をさらさらにする薬)や一部の抗ヒスタミン薬は、皮膚の乾燥・敏感化・接触反応のリスクを高めることがあります。また、長期のステロイド外用薬の使用は皮膚のバリア機能を低下させるため、グルー(接着剤)の成分に対する反応が通常とは異なる場合があります。服用している薬の種類がわかれば、アイリストはグルーの選択や施術時間の調整に役立てることができます。
甲状腺疾患・自己免疫疾患の有無
甲状腺機能の異常(橋本病・バセドウ病など)があると、まつ毛の成長サイクルが乱れて毛の入れ替わりが速くなることがあります。その場合、一般的な持ちの目安よりもエクステが早く抜けてしまう可能性が高く、事前にお伝えすることでお客様の「すぐ取れてしまった」という失望を防ぐことができます。
妊娠中・授乳中かどうか
妊娠中はホルモンバランスの変動により皮膚・粘膜の感受性が高まることが知られています。また、グルーの主成分であるシアノアクリレートが発散する微量の揮発成分を吸入するリスクについて、胎児・乳児への影響を考慮する必要があります。FRAISEでは妊娠中のお客様に対して、換気の強化・施術時間の短縮・低刺激グルーの選択などの対応をとっています。
「目元・まつ毛の状態」に関する項目——施術の安全域を決める重要な情報
目元や自まつ毛の状態を確認する設問は、アイリストが施術の可否・安全に行える範囲を判断するための最も直接的な情報源です。ここを曖昧に記入すると、施術後のトラブルにつながるケースがあります。
- コンタクトレンズの種類(ソフト・ハード・カラー):ハードレンズは施術中に外していただく必要があります。ソフトレンズも、グルーの乾燥過程で発生する微細な揮発物が目に入るリスクを考慮し、外した状態での施術を推奨しています。カラーコンタクトはレンズの厚みが異なるため、目を閉じた状態でのまぶたの形に影響します。
- 過去の目元手術(二重手術・眼瞼下垂手術など):切開法による二重手術の場合、まぶたの皮膚の厚みや引き上げの方向が変わっています。埋没法の糸が残っている場合は、強い引っ張りにより糸が動く可能性を考慮し、テープワークを通常より慎重に行います。眼瞼下垂手術後は筋肉の状態が変わっているため、デザインの相談段階で医師への確認をお勧めするケースもあります。
- 逆まつ毛・まつ毛の状態:逆まつ毛がある場合、エクステの重みにより毛の向きがさらに内向きになるリスクがあります。自まつ毛が極端に細い・少ない場合は、装着できるエクステの太さ・長さ・本数に上限があり、無理な装着は自まつ毛を傷める原因になります。
- ドライアイ・眼疾患の有無:ドライアイの方はまぶたの油分分泌が少なく、グルーの接着力に影響するだけでなく、施術中の長時間閉眼に伴う不快感が大きくなることがあります。緑内障の点眼薬を使用している方は、まつ毛が通常より太く・長くなっている場合があり、自まつ毛の状態の確認が必要です。
「ライフスタイル・習慣」に関する項目——持ちと仕上がりを左右する生活情報
カウンセリングシートの中に「汗をかく機会は多いですか」「プールや温泉に行くことはありますか」「まつ毛を触る癖はありますか」といった質問が含まれていることがあります。これらはお客様のプライベートな生活を詮索しているわけではなく、エクステの耐久性を正直にお伝えするために欠かせない情報です。
運動習慣・発汗量
皮脂・汗はグルーの接着を弱める主要因のひとつです。スポーツジムに週3回以上通う方、サウナが好きな方、屋外での肉体労働が多い方は、同じ施術でも持ちが短くなる傾向があります。このことを事前に共有しておくことで、次回来店の目安を正確にお伝えできますし、耐久性の高いグルーへの変更を提案できます。
クレンジングの習慣
オイルクレンジングはシアノアクリレート系グルーの接着力を低下させることが、化粧品科学の分野でも知られています。毎日オイルクレンジングを使用している方には、エクステ対応のオイルフリークレンジングへの移行をご提案しています。また、クレンジングをゴシゴシ擦って行う習慣がある方は、エクステが絡まり・自まつ毛へのダメージが蓄積しやすいため、洗い方についても簡単にお伝えしています。
まつ毛を無意識に触る癖
花粉症の時期に目を擦る、眠いときにまつ毛をいじるという習慣は、エクステの脱落を大幅に早めるだけでなく、自まつ毛の折れ・損傷の原因にもなります。カウンセリングでこの情報をお伺いすることで、施術後のセルフケアのアドバイスをより具体的にお伝えできます。
「過去の施術経験・トラブル歴」に関する項目——再発防止のための重要な記録
「以前に別のサロンでまつ毛エクステを受けたことがありますか」「トラブルや不満を感じたことはありますか」という設問は、お客様の過去の経験からリスクを先回りして回避するための情報収集です。
過去のアレルギー反応・皮膚炎
まつ毛エクステによる接触性皮膚炎のほとんどは、グルーに含まれるシアノアクリレートや希釈剤・安定剤への反応です。過去に目元の赤み・腫れ・かゆみを経験した方は、その際に使用されたグルーの種類(不明でも構いません)や症状の出方を教えていただくと、アイリストがより慎重なグルー選択とパッチテスト(貼付試験)の実施を検討できます。FRAISEでは医師監修のもとパッチテストを推奨しており、ご希望の方にはご案内しています。
「仕上がりへの不満」の記録
過去に「思ったより重くなった」「目頭がかぶれた」「自まつ毛が細くなってしまった」という経験がある方は、ぜひシートにご記入ください。こうした情報は、アイリストが本数・長さ・カール・グルー量の調整を行う際の重要なリファレンスになります。同じ失敗を繰り返さないために、過去の経験は「失敗」ではなく「大切なデータ」として活用されます。
他のビューティー施術との併用
ホットペッパービューティーなどを活用してまつ毛パーマ(まつ毛カール・ラッシュリフト)を同日に受けることをご希望の場合や、眉毛ワックスやアイブロウスレッディングを直前に受けてきた場合も、皮膚の状態が普段と異なることがあります。複数施術のタイミングについては、目元の皮膚への刺激の蓄積を考慮したアドバイスをお伝えできますので、気軽にご記入ください。
FRAISEのカウンセリングが「対話」である理由——シートの先にある丁寧な確認
多くのサロンでカウンセリングシートは「記入して終わり」になってしまうことがあります。しかしFRAISEでは、シートはあくまでもアイリストとお客様が会話を始めるための出発点と位置づけています。記入いただいた内容をもとに、施術前に必ず口頭でのカウンセリングを行い、疑問点・不明点をその場で解消してから施術に入ります。
「空欄」は正直な情報のひとつ
カウンセリングシートに「わからない」「思い出せない」と記入してくださって、まったく問題ありません。服用している薬の名前がわからない、過去のトラブルの詳細を忘れてしまった——そのような場合でも、アイリストが追加の質問を重ねることで必要な情報を引き出していきます。曖昧なまま「大丈夫です」と記入することのほうが、実はリスクになり得るのです。
デザインの好みを言葉にするための補助線
カウンセリングシートには健康情報だけでなく、「ナチュラル・ドラマティック・キュート」といったデザインの方向性や、「目を大きく見せたい」「すっぴん風に見せたい」という仕上がりの希望を記入する欄もあります。これらを事前に記入することで、アイリストは施術の準備段階から最適なデザインの仮説を立て始めることができます。口頭だけで伝えようとすると、緊張や言葉の選択のむずかしさから、本来の希望が正確に伝わらないこともあります。
「教えてください」と言える関係を作る場所
FRAISEが完全個室・完全予約制にこだわっているのは、お客様が周囲の視線を気にせず、アイリストに本音を話せる環境を整えるためです。「実は花粉症がひどくて目を擦ってしまうんです」「前のサロンで嫌な思いをして…」という言葉が出てきやすい空間だからこそ、カウンセリングシートの内容をより深く掘り下げた実質的な対話が生まれます。私たちは17年にわたり、この対話をもっとも大切にしてきました。
カウンセリングシートへの記入は、お客様が自分の目元を守るための第一歩です。面倒に感じる設問にも、すべて「あなたの施術をより良くしたい」という意図が込められています。記入しながら疑問に思ったことはどうぞそのままアイリストにお伝えください。私たちはその一言を、いつも大切に受け取っています。
FRAISE Note
FRAISEのカウンセリングシートは、医療法人鳳應会グループのサポートのもと、監修医師・近澤徹の医学的見地をもとに設計・定期的に見直しを行っています。設問の意図を知っていただけると、記入の際の「なぜ?」が「なるほど」に変わり、施術前の準備がより充実したものになります。シートの記入後は、担当アイリストが丁寧にご確認しながらカウンセリングを進めますので、どうか気になることは遠慮なくお声がけください。北24条・円山の両店舗とも完全個室・完全予約制で、ゆったりとお話しいただける環境をご用意しています。初めてのお客様も、久しぶりにご来店いただくお客様も、カウンセリングシートを起点にして、あなたの目元に本当に合った施術をご提案できることを、私たちは楽しみにしています。