「ドライアイだけど、エクステをしても大丈夫?」と感じているあなたへ
まつ毛エクステのカウンセリングをしていると、「実はドライアイがあって、目薬を手放せないんです」「目が乾きやすいから、エクステをつけたら余計に悪化しそうで心配で……」というお声を、とても多くいただきます。ドライアイは日本の眼科受診患者数において非常に多い眼疾患のひとつであり、2000年代以降はスマートフォンやパソコンの普及にともなって若い世代でも増加傾向にあることが報告されています。
ドライアイを抱えながらも、目元を美しく整えたいというお気持ちは、まったく不思議ではありません。FRAISEには、眼科への通院を続けながらエクステを楽しんでいるお客様も数多くいらっしゃいます。大切なのは「ドライアイだからエクステをあきらめる」ではなく、正しい知識と適切な対策をそろえてから始めること。そのための情報を、今回の記事でしっかりお伝えしていきます。
この記事では、ドライアイのメカニズムからまつ毛エクステとの関係性、目薬との付き合い方、サロン選びのポイント、日常ケアまでを、医療法人鳳應会グループの監修医師・近澤徹医師の医学的見地をふまえながら丁寧に解説します。「なんとなく不安だった」という気持ちが、記事を読み終わったころには「こういうことに気をつければいいんだ」という安心感に変わっていただければ幸いです。
ドライアイとはどういう状態か──涙の構造から理解する
ドライアイという言葉は広く知られるようになりましたが、「ただ目が乾く状態」と単純にとらえると、その本質を見落としてしまいます。眼科領域における現在の定義では、ドライアイは「涙液および眼表面の慢性疾患であり、涙液の量的・質的異常や眼表面の炎症・障害、そして不快感・視力障害を伴う」ものとされています。つまり、涙の「量」だけでなく「質」の問題も大きく関係しているのです。
涙の三層構造と油分の役割
健康な状態の涙液は大きく三つの層で構成されています。表面から順に、脂質層(油層)・水層・ムチン層です。このうち最表層の脂質層は、目を覆う涙液が蒸発しにくいよう守るバリアの役割を担っており、瞼の縁にある「マイボーム腺」という皮脂腺から分泌されます。近年では、このマイボーム腺の機能低下がドライアイの主要な原因のひとつとして注目されており、「蒸発亢進型ドライアイ」と呼ばれる分類に相当します。
まつ毛エクステとの関係を考えるうえで重要なのが、このマイボーム腺がまつ毛の生え際(眼瞼縁)のすぐそばに開口しているという解剖学的事実です。まつ毛の根元環境に何らかの変化が生じると、マイボーム腺の分泌機能に影響が及ぶ可能性があります。だからこそ、エクステ施術の際には生え際のケアが医学的にも重要な意味を持ちます。
涙液の分泌量と「蒸発」のバランス
涙の量が少ない「分泌不足型」と、量は十分でも蒸発が速すぎる「蒸発亢進型」では、対処法が異なります。眼科を受診せずに「目が乾く=目薬をさせばよい」と考えがちですが、タイプによっては市販の目薬だけでは症状が改善しにくいこともあります。まつ毛エクステを安全に楽しみたいとお考えの方には、まず眼科で自分のドライアイのタイプを確認していただくことを、FRAISEでも強くおすすめしています。
まつ毛エクステがドライアイに与える可能性のある影響
まつ毛エクステ自体がドライアイを「引き起こす」ものではありませんが、施術の内容・素材・デザイン・ケア方法によっては、ドライアイの症状を変化させる要因になり得ることが、いくつかの研究や臨床報告から示唆されています。FRAISEでは医療法人鳳應会グループとの連携のもと、こうした可能性について正直にお伝えしながら施術方針を組み立てています。
エクステの長さ・本数が気流に与える影響
2020年に発表されたジョージア工科大学の研究(著者:Guillermo Amador ら)では、まつ毛の長さと目の周辺の気流の関係が工学的に分析されました。この研究によれば、まつ毛が眼幅の約3分の1程度の長さのときに、目の表面を流れる気流を最も効率よく抑制する「最適な防風効果」が得られるとされています。逆に、まつ毛が長くなりすぎると気流の乱れが生じ、涙液の蒸発が促進される可能性があるという示唆も得られています。
これは、過度に長いエクステデザインがドライアイ傾向のある方には不向きである可能性を示す、興味深い知見です。もちろん個人差がありますが、まつ毛エクステのデザインを選ぶ際には「見た目の好み」だけでなく「目の健康への影響」も一緒に考えることが大切だと、FRAISEは考えています。
グルー(接着剤)の成分とまつ毛根元への刺激
まつ毛エクステに使用されるグルーの主成分はシアノアクリレート系の接着剤であり、硬化の際に微量の気化成分を発生させます。目の粘膜が敏感な方やドライアイで眼表面のバリア機能が低下している方では、この気化成分が刺激として感じられることがあります。また、施術直後の硬化前に目に触れた場合のリスクを考慮し、FRAISEでは施術中の換気・温度・湿度管理を丁寧に行っています。
まつ毛根元の不衛生による「眼瞼炎」リスク
エクステをつけていると根元に汚れや皮脂が蓄積しやすくなります。この汚れが原因で「眼瞼炎(まぶたの炎症)」が起こると、前述のマイボーム腺の開口部が詰まり、脂質層の分泌が低下してドライアイが悪化するという悪循環が生じます。毎日のまつ毛クレンジング習慣は、美容目的だけでなく眼科的な観点からも非常に重要です。
目薬とまつ毛エクステ──「使えない」は誤解。正しい使い方を知ろう
「エクステをつけていると目薬がさせないんですか?」というご質問も、カウンセリングでよくいただきます。結論からお伝えすると、目薬の使用そのものはまつ毛エクステと原則的に矛盾しません。ただし、目薬の成分・種類・使用タイミングによっては注意が必要です。
目薬の「油分・防腐剤」とグルーへの影響
まつ毛エクステのグルーは油分に弱い性質を持っています。これはエクステのオフに専用のリムーバー(油性成分を含む製品)を使用することからも明らかです。そのため、油分(脂質)を多く含む点眼薬——たとえばドライアイ治療に使われる脂質系点眼剤や、一部の市販人工涙液型目薬で乳化剤・油性保湿成分を配合したもの——を日常的に大量に使用する場合は、グルーの接着力が通常よりも早く低下するケースがあります。
眼科で処方される点眼薬を使用されている方は、施術前のカウンセリングでその旨を必ずお伝えください。FRAISEのアイリストは薬剤師ではないため個別の薬品成分を判断することはできませんが、使用薬剤の情報をもとに施術間隔やグルーの種類の調整についてご相談することができます。気になることは遠慮なく何でも話していただける雰囲気を、FRAISEは大切にしています。
防腐剤「ベンザルコニウム塩化物」への注意
市販の目薬に広く使用される防腐剤「ベンザルコニウム塩化物(BAK)」は、長期・頻回使用によって眼表面の上皮細胞を傷つける可能性があることが眼科領域では以前から指摘されています。ドライアイの方が市販の目薬を自己判断で頻繁に使用する場合、この防腐剤の影響を受けやすくなることもあります。眼科での受診と処方点眼薬の使用が、長期的な目の健康にとって望ましい選択といえます。
目薬をさすタイミングとエクステへの影響を最小化する方法
目薬をさす際は以下の点に気をつけると、エクステへの影響を小さくすることができます。
- 点眼後はまぶたをやさしく閉じ、目頭を軽く押さえて薬液が眼外に過剰に流れ出ないようにする。
- あふれた薬液は清潔なティッシュやコットンで「上から下へ」やさしく吸い取る(こすらない)。
- 油分の多い目薬をさしたあとはまつ毛根元に直接触れないようにし、過剰な薬液がグルー部分に留まらないよう注意する。
- 就寝前にさす習慣がある方は、起床直後のまつ毛根元の状態を観察し、汚れが蓄積していないかチェックする。
また、施術当日の目薬の使用は施術前に済ませておくのが理想的です。施術直後のグルーが完全に硬化するまでの数時間は、目元への水分・薬液の接触を控えていただくことをお願いしています。
ドライアイの方が日常生活で実践したい乾燥対策とまつ毛ケア
まつ毛エクステを美しく長持ちさせることと、目の乾燥を悪化させないこととは、実は多くの部分で重なり合っています。日々のケア習慣を少し意識するだけで、両方の課題を同時にケアすることができます。FRAISEがお客様にお伝えしているポイントを、ここでまとめてご紹介します。
まつ毛根元のクレンジング——「洗わないケア」の危険性
エクステをつけていると、「根元を洗うとエクステが取れそうで怖い」という理由から、まつ毛の根元を十分に洗えていないお客様が少なくありません。しかし前述のとおり、根元の汚れや皮脂の蓄積は眼瞼炎やマイボーム腺閉塞の原因になり得ます。エクステ対応のやさしいクレンジング剤(オイルフリー・低刺激処方)を使い、指腹でやさしくなでるようにして根元を洗うことが大切です。洗浄後はしっかりとぬるま湯で流し、水分は吹きつけずにやさしく押さえて吸収させてください。
室内環境の湿度管理
乾燥した室内環境は、ドライアイの症状を悪化させる代表的な要因のひとつです。特に北海道の冬場は暖房によって室内が極端に乾燥しやすく、湿度が30〜40%を下回るケースも珍しくありません。眼科領域では室内湿度を50〜60%に保つことが目の乾燥防止に有効とされています。加湿器の活用に加え、デスクワーク中はパソコン画面を目線より少し下げる(瞼の開き面積を減らして蒸発を抑える)工夫も有効です。
意識的な「まばたき」と休憩
スマートフォンやモニターを見ているとき、人は無意識にまばたきの回数が減ります。通常1分間に約15〜20回とされるまばたき数が、画面注視中は5〜7回程度まで落ちるという報告もあります。意識的に「ゆっくりとした完全なまばたき」を行うことで、涙液が眼表面に均一に広がり、マイボーム腺からの脂質分泌も促されます。1時間に1回は画面から目を離して遠くを見る休憩を取り入れてみてください。
まつ毛用美容液の活用
まつ毛エクステをしている方にも使用できる、グルーに影響しにくい処方のまつ毛用美容液が販売されています。成分としては、ビオチン(ビタミンB7)・パンテノール・各種ペプチド・ナイアシンアミドなどを含む製品が注目されています。まつ毛の健康を保つことは、毛根周辺の皮膚環境を整え、眼瞼の健康維持にもつながります。ただし、成分によってはグルーとの相性に影響するものもあるため、使用前にサロンスタッフへご確認いただくと安心です。
FRAISEのカウンセリングで大切にしていること——「目の健康ありき」の施術哲学
FRAISEが創業以来17年にわたって変わらず大切にしてきた姿勢、それは「親切・丁寧・納得」です。まつ毛エクステは美しさを叶えるための手段であり、目の健康を損なうためのものであってはなりません。特にドライアイのお客様に対しては、この考え方がより一層重要になります。
施術前のカウンセリングでヒアリングすること
FRAISEでは初回のカウンセリングで、目のコンディションについて丁寧にお聞きしています。具体的には以下のような点を確認させていただきます。
- 眼科への通院・処方薬の有無:使用している点眼薬の種類や成分を把握することで、グルー選びや施術後のケア指導に活かします。
- ドライアイの自覚症状と程度:「乾く感じがある」程度なのか、「眼科で診断を受けている」状態なのかによって、推奨デザインや来店頻度の提案が変わります。
- コンタクトレンズの使用状況:ドライアイとコンタクトレンズは相性が難しく、エクステ施術後の目元環境にも影響するため、確認が欠かせません。
- 目元の皮膚状態・過去のトラブル歴:眼瞼炎・ものもらいの既往など、目元の皮膚トラブル歴は施術の可否や注意点に関わります。
デザイン提案における「目の健康」の優先
ドライアイ傾向がある方には、前述の気流研究の知見もふまえて、自まつ毛の長さの1.5倍程度を上限とした控えめな長さのデザインを基本的にご提案しています。また、本数も「なるべく多く」ではなく目元への負担を考慮した適切な量をご提案します。Jカール・Cカールなど比較的フラットなカールデザインは、目を開けたときのレンズ面への接触リスクも低く、ドライアイのお客様にも向きやすい選択肢です。
もちろん、こうしたご提案はあくまでお客様ご自身のご希望と状態を最優先にしたうえでのものです。「こうしなければならない」ではなく「こういう選択肢もある」というかたちで、お客様が納得して選べる情報をていねいにお伝えすることを、FRAISEのアイリストは大切にしています。
施術後のフォローと「変化に気づく」関係性
ドライアイのお客様は、季節や体調によって目のコンディションが変わりやすいという特徴があります。北海道の冬は特に乾燥が厳しく、目の乾きが増す方も多くいらっしゃいます。FRAISEの完全個室・完全予約制という環境は、アイリストとお客様が毎回じっくり話せる時間を確保するためにも機能しています。前回の施術からどんな変化があったか、目のコンディションはどうかを会話のなかで自然に確認できる関係性を育てることが、長く安全にエクステを楽しんでいただくために欠かせないと考えています。
「ドライアイがあるから……」と最初からあきらめていた方が、FRAISEのカウンセリングを通じて安心してエクステを始められた、というお声をこれまでも多くいただいてきました。疑問や不安はぜひそのままカウンセリングの場へ持ち込んでください。FRAISEはそのすべてに、丁寧に向き合います。
FRAISE Note
ドライアイは「目が疲れやすい体質」として軽く流されてしまいがちですが、眼表面の健康と深く結びついた、適切なケアが必要な状態です。まつ毛エクステを安全に楽しむためには、目の状態を正しく把握し、デザイン・素材・日常ケアのすべてを「目の健康ありき」で組み立てることが大切です。FRAISEでは、医療法人鳳應会グループのサポートのもと、医学的な見地に基づいたカウンセリング体制を整えています。「自分の目の状態でエクステができるのかな」と思っている方こそ、まずお気軽にご相談ください。北24条の1号店・円山の2号店、どちらでも丁寧なヒアリングと安心できるご提案をお約束します。
あなたの目元が、心地よく美しくあり続けられるように。FRAISEはいつでも、あなたのそばにいます。