「最近、まつ毛が抜けやすい気がする」──その感覚は正しいかもしれません
ビューラーを使ったとき、洗顔のあとにタオルで拭いたとき、あるいはまつ毛エクステのお手入れ中に、「あれ、こんなに抜けるものだっけ?」と感じたことはないでしょうか。まつ毛は体の中でもとくに細く繊細な毛であるため、普段の何気ない動作でも影響を受けやすい部位です。そしてその多くは、気がつかないうちに積み重なった日常の習慣が原因となっています。
FRAISEには、「まつ毛が薄くなってきた」「エクステが長持ちしなくなった」というご相談を多くいただきます。カウンセリングを通じてお話を伺うと、特定の疾患や加齢だけでなく、毎日のクレンジングの仕方、睡眠のリズム、栄養バランスなど、ライフスタイル全体に改善の余地があるケースが少なくありません。
この記事では、まつ毛が抜ける仕組みと、その背景にある習慣的な要因を整理し、今日から取り組めるケアの考え方をお伝えします。医療法人鳳應会グループの監修医師・近澤徹医師の医学的見地を踏まえながら、できるだけ具体的にご説明していきます。
まつ毛の毛周期を知ることが、すべての出発点
まつ毛の抜け落ちを語るうえで、まず理解しておきたいのが毛周期(ヘアサイクル)という概念です。私たちの毛は、成長・退行・休止という3つのフェーズを繰り返しながら入れ替わっています。まつ毛の場合、この1サイクルはおよそ4〜8か月と言われており、頭髪(2〜6年)と比べると非常に短い周期です。
毛周期の3段階
- 成長期(アナゲン):毛包が活発に働き、まつ毛が根元から伸びていく時期。まつ毛では約1〜2か月続きます。この時期のまつ毛は比較的しっかりしており、健全な状態を保ちやすい段階です。
- 退行期(カタゲン):成長が止まり、毛包が縮小していく移行期。2〜3週間程度で完了します。毛根がゆるみ始めるため、外部からの刺激に対してやや弱くなります。
- 休止期(テロゲン):毛包が休止し、古いまつ毛が自然に抜け落ちる準備をする時期。約1か月続き、次の成長期に備えて新しい毛が育ち始めます。
重要なのは、休止期のまつ毛は物理的な刺激がなくても自然に抜けるということです。1日に3〜5本程度のまつ毛が抜けるのは生理的な範囲とされており、必ずしも病的な状態ではありません。ただし、習慣的なダメージが重なると、成長期の毛でも早期に抜け落ちてしまったり、次の成長期がなかなか始まらなかったりという問題が生じます。
つまり、「抜けること自体」よりも「抜け方の質」と「サイクルの健全さ」を見ることが大切です。このサイクルを乱す習慣を一つひとつ見直すことが、まつ毛を守る第一歩となります。
まつ毛を傷める「5つの習慣的ダメージ」
FRAISEでのカウンセリング経験と監修医師の知見をもとに整理した、まつ毛に影響を与えやすい習慣をご紹介します。当てはまるものがあれば、少しずつ見直してみてください。
1. クレンジングの力み・摩擦
目元のメイクを落とす際に、コットンやクレンジングシートを強くこすっていないでしょうか。目元の皮膚は顔の中でもとくに薄く、まつ毛の毛根を包む毛包もデリケートです。繰り返す機械的な摩擦は、毛包周囲の組織を慢性的に刺激し、毛の成長を妨げる要因となります。また、クレンジングオイルをまつ毛エクステに使用した場合、グルーを溶かしてエクステの持ちを損なうだけでなく、自まつ毛自体を引っ張る力が加わりやすくなります。
2. ビューラーの誤った使い方
金属製のビューラーは、使い方によってまつ毛を鋭く折り曲げる力を加えます。とくにゴムパーツが劣化しているにもかかわらず使い続けると、まつ毛を挟んだ際にゴムのエッジが毛を傷つけ、断毛や毛根への負荷を引き起こすことがあります。ビューラーは消耗品であり、ゴムパーツの交換を怠ることは見落とされやすいリスクです。さらに、マスカラを塗った後にビューラーをかける行為は、まつ毛を固めた状態で強い力をかけることになるため、まつ毛への負担が倍増します。
3. 睡眠中の圧迫・枕との摩擦
うつぶせや横向きで眠ることが習慣になっている方は、顔が枕に押しつけられた状態でまつ毛が折れ曲がったり、摩擦を受けたりしています。8時間眠るとすれば、それだけの時間まつ毛が圧力を受け続けることになります。まつ毛エクステをされている方にとってはとくに注意が必要で、枕との摩擦によってエクステが取れやすくなるだけでなく、自まつ毛そのものの根元にも継続的なストレスがかかります。シルク素材のまくらカバーや、目元を圧迫しないように設計された美容用アイマスクの活用は、地味ながら有効な対策のひとつです。
4. 栄養の偏りと水分不足
まつ毛の主成分はタンパク質(ケラチン)であり、その合成にはアミノ酸・ビオチン・亜鉛・鉄分などが不可欠です。極端な食事制限やタンパク質の摂取不足が続くと、毛の成長に必要な原材料が不足し、細く短いまつ毛になりやすくなります。また、体内の水分量が慢性的に少ない状態では、毛包への栄養や酸素の供給も滞りがちです。まつ毛のケアは目元だけでなく、食生活というインナーケアにも目を向けることが重要です。
5. 目元を触る・こするクセ
花粉症や目の疲れなどで目をこするクセがある方は、その動作のたびにまつ毛の根元に対して引っ張りや圧力を与えています。また、無意識にまつ毛を指でいじったり、まつ毛を抜いてしまうという行為(トリコチロマニア)は、習慣的な行動の中でも毛根に直接的なダメージを与えるものです。花粉症などアレルギー症状がある場合は、目薬で症状をコントロールし、できるだけ目元への物理的な接触を減らすことが賢明です。
「内側から守る」──栄養とホルモンバランスの視点
まつ毛の状態は、外からのケアだけでなく、体の内側の状態を映す鏡でもあります。監修医師・近澤徹医師が特に注目するのが、栄養摂取とホルモンバランスという2つの視点です。
まつ毛に関わる主要な栄養素
- ビオチン(ビタミンB7):ケラチンの合成を補助する水溶性ビタミン。卵黄・ナッツ類・レバーなどに多く含まれます。長期にわたる生卵の摂取はビオチンの吸収を阻害するとされるため、加熱した卵での摂取が望ましいとされています。
- 亜鉛:毛の成長に関わる酵素の補因子。牡蠣・牛肉・大豆製品に豊富です。アルコールの過剰摂取や偏食によって欠乏しやすくなります。
- 鉄分:毛包への酸素供給に関わります。月経のある方は慢性的な鉄不足になりやすく、抜け毛の一因となることが医学的に知られています。
- タンパク質(必須アミノ酸):まつ毛の80〜90%を占めるケラチンの原料。肉・魚・大豆・乳製品など、バランスよく摂ることが大切です。
ホルモンバランスの変化と毛周期
女性ホルモン(エストロゲン)には毛の成長期を延長させる働きがあるとされており、妊娠中には体毛が豊かになる経験をする方が多いのはこのためです。一方で、産後・更年期・強いストレスなどによるホルモンバランスの変動は、毛周期を乱し、休止期に入るまつ毛の数を増やす原因となります。甲状腺ホルモンの異常(甲状腺機能低下症など)もまつ毛の脱落に関係するケースがあり、突然まつ毛が大量に抜けるような場合は、皮膚科や内科への相談も検討する価値があります。
これらは日常習慣だけでは完全にコントロールできない部分もありますが、規則正しい生活リズムを維持することがホルモンバランスの安定にも寄与すると言われています。良質な睡眠・適度な運動・ストレスの軽減は、まつ毛ケアの文脈でも意味のある取り組みです。
まつ毛エクステと自まつ毛の関係──「持ち」が教えてくれること
まつ毛エクステを定期的にご利用されている方にとって、エクステの「持ち」は自まつ毛の状態を確認するひとつのバロメーターになります。一般的に、まつ毛エクステは施術後3〜4週間で半分程度が残っている状態を目安に次の施術(リペア)をご案内していますが、これよりも著しく早くエクステが取れてしまう場合、いくつかの原因が考えられます。
エクステが「早く取れる」背景にある自まつ毛の状態
- 細く弱いまつ毛へのエクステ装着:毛自体が細い・短い・コシがない状態のとき、エクステを支える力が不足し、グルーとの接合面積も小さくなります。結果として取れやすくなります。
- 皮脂・汗の過剰分泌:毛根周囲の皮脂量が多いと、グルーが根元の油分と反応して接着力が落ちることがあります。洗顔や皮脂ケアの習慣が適切かどうかを見直す必要があります。
- ターンオーバーが乱れた毛周期:休止期に入っているまつ毛の割合が増えると、エクステを付けてもすぐに自まつ毛ごと抜け落ちてしまいます。これはグルーの問題ではなく、自まつ毛の毛周期の問題です。
エクステは自まつ毛を傷めるのか?という疑問に答えます
適切な技術と適切な重さ・長さのエクステを選べば、まつ毛エクステが自まつ毛を傷める直接的な原因にはなりません。FRAISEでは、施術前に自まつ毛の状態を確認し、毛の太さ・長さ・生え方に合わせて一本一本のエクステの規格を調整しています。自まつ毛の状態に対して過度に重いエクステ、または密着させすぎた装着は、毛包への慢性的な負担につながるため、そのような施術は行っていません。
ただし、いくら施術が適切であっても、前述のような日常習慣によるダメージが積み重なっていると、エクステの持ちにも影響します。逆に言えば、エクステの「持ちが良くなった」という変化が、日常ケアの改善を実感するシグナルになることもあります。
FRAISEのカウンセリングで大切にしていること──「習慣を聞く」という姿勢
創業2009年以来、FRAISEが一貫して大切にしてきた姿勢のひとつが、「お客様の習慣を丁寧に聞く」というカウンセリングのスタイルです。まつ毛エクステは施術すれば終わりではなく、その方の毎日のケアの延長線上に存在するものだと私たちは考えています。
カウンセリングで私たちが確認していること
- 普段のクレンジング方法(使用アイテム・力の入れ方・順序)
- 洗顔後の目元の拭き方(タオルでこすっていないか)
- 睡眠の体位(うつぶせ・横向きが習慣になっていないか)
- まつ毛に触れるクセや、目をこすることが多い状況(花粉症・ドライアイなど)
- 食生活の大まかなバランス(タンパク質・鉄分の摂取状況)
- 生活リズムや疲労感の状態(睡眠時間・ストレスレベル)
これらを丁寧に確認することで、エクステの持ちや自まつ毛の状態の変化に、どのような背景があるかを一緒に探ることができます。施術のクオリティだけでなく、アフターケアのアドバイスもFRAISEの役割のひとつと考えているため、「こんなことを聞いていいのかな」と思うようなご質問も、どうぞ遠慮なくお話しください。
完全個室・完全予約制だからこそできるコミュニケーション
FRAISEは北24条(1号店)・円山(2号店)ともに完全個室・完全予約制のサロンです。周囲を気にせず、落ち着いた空間でお話しいただける環境を整えているのは、まさにこのカウンセリングの時間を大切にしたいという思いからです。「最近まつ毛の抜けが気になる」「エクステの持ちが悪くなった」というご相談から始まり、生活習慣の見直しまで一緒に考えていく。そういったサロンでありたいと思っています。
まつ毛の悩みは、一時的な対症療法よりも、習慣という土台から見直すことで長期的に改善できるケースが多くあります。「親切・丁寧・納得」という創業からの哲学のもと、私たちは引き続きお客様一人ひとりの目元に向き合い続けます。
FRAISE Note
まつ毛が気になり始めたとき、「加齢だから仕方ない」「体質だから変えられない」と感じてしまうことがあるかもしれません。でも、FRAISEのカウンセリングでお客様のお話を伺うたびに実感するのは、習慣を少し変えることで、まつ毛の状態は確かに変わるということです。クレンジングの仕方、枕との付き合い方、食事のバランス──どれも地味に見えますが、毛周期という長いサイクルの中で着実に積み重なっていきます。
医療法人鳳應会グループのサポートのもと、FRAISEでは監修医師の医学的見地を施術・カウンセリングの両面に活かす体制を整えています。「まつ毛のことを相談できるサロン」として、どうぞお気軽にお声がけください。北24条(1号店)・円山(2号店)ともに、完全個室・完全予約制でお待ちしております。